すね・足首・足の症状

足関節捻挫(足関節靭帯損傷)

症状

足首(足関節)を内側に捻ることで、外くるぶしの下から前にかけて、皮下出血を伴って腫れ上がり、熱感を伴い、痛みが生じます。走るだけではなく、歩く際に痛みを伴うことはもちろん、安静にしているときや腫れている箇所を押すときにも痛みがあります。足首の靭帯は外側だけでなく、内側にもとても硬い靭帯が密集しており、段差を踏み外したり、スポーツの最中に内くるぶしの下側に同じような症状が生じることがあります。

原因

スポーツではジャンプの着地やターン(切り返し)の際、日常生活ではちょっとした段差で踏み外したりする際に足関節を内側に捻ることで、足関節の外側にある靭帯や関節包が損傷することで症状が出ます。特に外側にある前距腓靭帯と言われる靭帯は損傷頻度が最も高い靭帯です。

治療法

足首の捻挫は足首周りにある靭帯の損傷具合によって、捻挫の程度が分類されます。
1度捻挫(軽度):靭帯が伸びる程度の損傷
2度捻挫(中等度):靭帯の一部が切れた状態の損傷
3度捻挫(重度):靭帯が完全に切れた状態の損傷
基本的に、RICE処置を行います。RICE処置とは、「Rest(安静)」・「Icing(冷却)」・「Compression(圧迫)」・「Elevation(挙上)」の頭文字を取った処置のことで、捻挫の他に肉離れや打撲をした際の応急処置の方法です。受傷直後にRICE処置を早急に実施することでケガの予後をより良くします。まずはRICE処置を行い、その後は速やかに医療機関を受診しましょう!
当院では、理学療法士による運動器リハビリテーションを行っております。どれくらい安静にしていればいいのか、スポーツをされている方はどのタイミングで復帰したらいいのか、再発を防ぐにはどうしたらいいか、ご不明点が多くあると思いますので、ぜひ当院にご受診ください。その他、疼痛緩和のための足関節の固定、消炎鎮痛の服薬、湿布の処方をしております。3度捻挫の場合は、手術を必要とする場合もありますので、ただの捻挫で済ますのではなく、まずは受診して、医師の診断を受けましょう。

足底腱膜炎

症状

足の裏のアーチ構造、いわゆる土踏まずなどを支えている足底腱膜が炎症を起こすことにより、スポーツ時や歩行時に足の裏や踵に痛みが生じます。痛みのある状態を放置して、慢性化していくと、踵の骨に骨棘と言われる突起ができて、痛みが強くなるケースがあります。

原因

足底腱膜は踵の骨から足の指の付け根まで広がる扇状の組織で、土踏まずのような足のアーチ構造を構成する重要な組織です。足のアーチがあることで、ランニングやジャンプ着地時の地面からの衝撃を吸収する役割を持っています。ランニングやジャンプを繰り返すことで、足底腱膜が引っ張られたり、圧迫されたり、大きな負荷が集中することで炎症が生じます。過度なスポーツ活動や立ち仕事、長時間の歩行などが主な原因になりますが、加齢による姿勢の変化、足に合わない靴の使用、足部の柔軟性低下や筋力不足などのあらゆる原因が考えられます。

治療法

炎症や痛みの程度に合わせて治療を行います。症状が強い場合は一定期間の安静と痛みを和らげるための消炎鎮痛薬や湿布の処方や炎症を抑える超音波治療、症状がひどいときは注射を行います。また、ご自身の足の形に合った靴を履いたり、足底腱膜に負担を掛けない形状をしたインソールに変えることがあります。当院では、理学療法士による運動器リハビリテーションで、柔軟性の向上や筋力強化を目的にストレッチや筋力トレーニングを行ったり、スポーツ活動における動作指導を行い、症状改善や再発の予防をサポートします。

シンスプリント(過労性脛部痛、脛骨過労性骨膜炎)

症状

シンスプリントのよくある症状はすねの内側に押した時の痛み(圧痛)、運動時痛で、腫れを伴うことが一般的です。特にすねの骨の内側のちょうど真ん中から内くるぶしまでにかけた範囲で痛みが好発します。

原因

シンスプリントは過労性脛部痛や脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれるように、オーバーユースの症状の一つで、ランニングやジャンプを過度に繰り返すことで発症します。ランナーの発生頻度が高いことは有名ですが、中学生・高校生・大学生の新入部員の発生頻度も高く、急激に運動量が増加することも原因の一つになります。その他に、アスファルトでのランニング、靴底の摩耗、偏平足、ふくらはぎの筋肉の柔軟性の低下に伴う足首の可動域制限、股関節の可動域制限や筋力低下などが原因とされており、多岐に渡る原因があります。

治療法

痛みが強い時期はランニングやスポーツ活動を一時的に休止して、安静を図ります。安静にしている間は、ふくらはぎの筋肉のストレッチや患部外のストレッチやトレーニングを行います。その他にも、痛みを和らげるために消炎鎮痛の飲み薬や湿布を処方します。腫れも伴う場合は、アイシングなどを行います。痛みが改善に合わせて、軽いランニング等から再開して、スポーツ活動の復帰を目指していきます。脛骨の疲労骨折を生じていることもありますので、少しでもすねの内側に痛みがある方はぜひご受診ください。

有痛性外脛骨障害

症状

足の内くるぶし下側に骨が隆起するようになり、そこを押すと痛みが強く出ます。押した時だけでなく、運動時やサッカーボールなどを蹴る瞬間にも痛みが出ることが特徴です。

原因

スポーツ活動をしている思春期に発症することが多い疾患であり、運動の過度な繰り返しが原因となります。また、捻挫などがきっかけで発症することもあります。後脛骨筋腱が付着部である舟状骨やその周辺の骨を牽引することで、隆起および痛みが発生します。

治療法

基本的には保存的治療を選択します。運動制限や安静を行いますが、症状に合わせて、消炎鎮痛剤の内服や湿布、場合によっては注射を行い、痛みの軽減を図ります。また、当院では理学療法士による運動器リハビリを行っており、後脛骨筋のストレッチの他に、足首周辺の筋力トレーニングなどを行い、スポーツ活動の復帰までの治療を行います。再発を繰り返したり、早期復帰を希望される場合は骨片を除去するための手術を行います。当院で手術はできかねますが、術後のリハビリでスポーツ復帰をサポートします。

アキレス腱周囲炎

症状

アキレス腱周囲炎の主な症状は、運動した際にアキレス腱に痛みが生じることです。また、押した際の痛み(圧痛)も伴います。症状が悪化すると運動後の安静時にも痛みを生じます。

原因

スポーツにおいて、ランニングやジャンプ、および着地などの動作を繰り返すため、アキレス腱に繰り返し負荷がかかることで痛みが発症します。特に体幹や股関節周囲の筋力が弱い方は着地が不安定となり、その不安定性を補うために、過度にアキレス腱周囲の組織が引っ張られます。その他に、偏平足、靴底が摩耗した靴を使用している方もアキレス腱周囲炎になりやすいです。

治療法

痛みが強い場合は消炎鎮痛剤の内服や湿布を処方します。痛みが軽減するまで、一定期間の安静を行いますが、並行して負荷がかからないストレッチや筋力強化、テーピングを行い、根本原因を改善して痛みの軽減を図ります。当院では理学療法士によるリハビリテーションを受けることができますので、ぜひご受診ください。