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聞いてみたシリーズ第4回【放射線について】

レントゲンは何回受けても大丈夫なんですか?という質問をよく受けますが、結果から言いますと、当院で行われている検査の放射線量では、大丈夫です。

 

当院では、X線検査(レントゲン検査)が診断・治療に役立ち、患者様に有益であると考え実施しています。

確かに、放射線を人体に受けると、遺伝子(DNA)が傷つき障害を発生させるおそれもあります。
下図に示すようにこれは、放射線が直接DNAを切断したり、放射線により体内の水が電離してできたラジカルでDNAを切断するからです。
しかし、DNAには修復能力があるので、完全に修復されれば何の問題もありません。
ところが修復にミスがあるとがんや遺伝的影響の原因になります。
そして、DNAを修復できなかった場合、その細胞は死んでしまいます。
細胞が死んでしまった場合でも、その場所が臓器であれば増殖した正常細胞に置き換えられていくので、大きな障害は起こりません。しかし、危険と言えるレベルの放射線量を受け、細胞が大量に死んだ場合は、臓器そのものが死んだり、臓器によっては人が死亡する場合もあります。

今までの話のごとく放射線は諸刃の剣です。そこで、医療界では、正しく利用することで患者様の利益となるよう、放射線学を学んだ医師・技師に資格が与えられるのです。

そのことを踏まえて、撮影枚数が少なすぎて患者様に不利益にならないように、そして過剰にならないような適正線量での検査に努めていきたいと考えます。

 

2020年08月28日